
昼風呂はいい。
風呂場の照明がいらないのが良い。
窓からの自然光が、露天風味をかもしだす。
窓から入る風も爽やかで、とても心地よい。
入浴後のドクターベッパーが楽しみな昼下がりである。
「あ…あのぅ…」
突然、窓の外から女性の声がかかる。
な…なんだなんだ?
「あ…あのぅ…いま、よろしいですか?」
ふざけてはいけない。
私は全裸である。
よろしいわけがないではないか。
見ると、玄関脇の風呂場の窓から女性の頭部がわずかに見える。
「お忙しいところ、申し訳ありません。」
べつに忙しくはないが、両玉無料サービス状態の人間に、かける言葉とは思えないぞ。
「な…何でしょうか?」
「私達、聖書の〜(略)」
どうやら、ア〜メンの人のようだ。
しかも私達と言うからには一人ではない。
そのうちに、勝手にイエスがどうだ、聖書がこうだと語り始めたではないか。
湯気の向こうから布教の言葉…。
う〜ん…ありがたい…訳がない。「あの…申し訳ないが、私には興味がない話なので…」
「あぁ、そうですか…お忙しいところ、すみませんでした」
いや、だから、忙しくはないのだ、むしろリラックスの最中なのだが…。
去り行く足音。
そっと窓から覗くと20代後半と思われる母親と5〜6歳の女の子の幸の薄そうな親子連れであった。
う〜む…これなら、背中でも流しあいながら、もっと詳しく話を聞くという選択肢もあったのではないか?
もしくは
「少々お待ちを」
と言い、全裸で玄関まで行き、ドアを開けて「偉大なる私」を見せてしまったら犯罪なのかねぇ。
自分の家だから、いいのかねぇ。
「ほ〜ら、見てごらん。おぢさんはね…おぢさんはね…おぢさんはね………」